泌尿器科

概要

  • 泌尿器科は副腎と尿路(腎、腎盂、尿管、膀胱、尿道)および、男性生殖器(精巣、前立腺)を扱う外科です。ただしこの分野の内科的診断・治療も行っています。従って、これらの疾患の診断から治療を行うこととなります。
  • また、当院では腹圧性尿失禁や骨盤臓器脱などを代表とする女性泌尿器科分野に対しても、最新の手術を行い治療しています(下記に記載)。

疾患別の診療の特色

  • 当院では泌尿器疾患に対する標準的治療・手術をほぼ行っています。以下に代表的な疾患に対する診療の特色を説明いたします。
  1. 前立腺癌
    • 近年、増加傾向にある疾患で早期発見が重要です。50 歳以上の男性は年に1 回の前立腺癌検診(PSA 採血)をお勧めします。
      癌が疑われる場合、前立腺組織の一部を採取する前立腺生検を行います。当院では1泊2日で行っています。治療は大きく分けて手術、放射線、薬物療法(主にホルモン療法)の3種類があり、病気の進行具合や患者さんの希望に応じて治療法を選択します。
  2. 腎癌、腎盂癌、副腎腫瘍
    • 腎癌、腎盂癌は進行しない限り、多くは無症状です。検診、人間ドックなどで早期発見される場合が多いです。
    • これらの疾患に対しては、できる限り腹腔鏡下手術を行っています。腹腔鏡下手術は従来の手術に比べ低侵襲で術後回復も早く早期退院できるのが特徴です。
  3. 膀胱癌
    • 主症状は無症候性血尿です(痛みなど症状がありません)。検診、人間ドックなどの検尿検査が早期発見には重要となります。
    • 内視鏡で腫瘍を切除するTUR-BT 手術、膀胱内注入療法を行い可能な限り膀胱温存に努めています。膀胱全摘出術症例には可能な限り、尿路変更として回腸代用膀胱を造設しています(腸を用いて膀胱を作ります。ストーマをつけなくて良いのがメリットです)。
  4. 骨盤臓器脱(膀胱瘤、子宮脱、直腸脱)
    • 女性は加齢とともに骨盤内の支持組織が弱くなり、膣壁から膀胱、子宮などが落ちてくることがあります。特に歩行時など腹圧がかかった場合に落ちてきて、膣内にピンポン玉が挟まったような感覚があります。このような症例には弱った組織を補強するためメッシュという網目状の膜を留置して治療する手術を行っています。
  5. 腹圧性尿失禁
    • 重いものを持つ時、くしゃみの時に尿が漏れる症状です。ひどい時は立ち上がったりするだけで漏れてしまう場合があります。このような尿失禁は内服治療ではあまり改善しません。尿道の後面にメッシュ状のテープを留置して尿失禁を治療する手術を行っています。
  6. 前立腺肥大症
    • 典型的な症状は、尿の勢いが弱い、夜間に何度もおしっこに行くなどの排尿症状です。症状が悪化すると尿がまったくでなくなる状態(尿閉)となって尿道に管を入れる場合があります。気になる方は早めに外来受診してご相談ください。
      内服にて改善の無い場合はレーザーを用いた内視鏡手術(HoLEP)を行っています。
  7. 過活動膀胱
    • 尿を我慢すると漏れそうになる症状(尿意切迫感)を主症状とする症候群です。多くは頻尿を伴い、時には切迫性尿失禁(トイレに間に合わず漏れてしまう症状)を伴います。近年、過活動膀胱に対する薬が多く発売されています。しかし、薬の副作用もあるため、このような症状のある方は専門である泌尿器科受診をおすすめします。
  8. 尿路結石(腎結石、尿管結石、膀胱結石)
    • 近年、尿路結石は食生活や生活様式の欧米化、高齢化などにより罹患率が年々上昇しています。結石に対する加療は細い内視鏡で腎や尿管の結石に到達しレーザーにて砕石します。また、体外衝撃波結石破砕(ESWL)も新病院から導入されています。患者さんの希望、結石の状態を加味して治療法を選択します。

以上にあげた疾患以外も当科では外来診療、手術を行っています。何か心配のある方はご相談ください。

【H28 主な手術件数】

  1. 膀胱全摘手術:5件
  2. 腹腔鏡下腎摘・腎尿管全摘:5件
  3. 経尿道的膀胱悪性腫瘍切除術(TUR-BT):63件
  4. 前立腺肥大症手術(TUR-P):1件
  5. 前立腺肥大症手術(HoLEP):8件
  6. 前立腺全摘手術:10件
  7. 尿道狭窄手術:7
  8. 女性骨盤臓器脱手術:17件
  9. 経尿道的尿管結石砕石術(TUL):6件
  10. 透析ブラッドアクセス手術:45件
  11. ESWL:34件