院長挨拶
当院院長 三浦雅人よりご挨拶申し上げます。
Greeting by director
こんにちは。院長の三浦です。本日は大曲医療センターのホームページにアクセスして頂き有難うございます。
当院も「大曲厚生医療センター」として新築移転し6年が経過し、私も院長となり3年が経過しました。そこで、この3年間の当院の取り組みを紹介し、今後の当院の方向性について簡単にご説明したいと思います。
まず一つ目は「病診連携」についてです。当院では開業医の先生からのご紹介については可能な限りお引き受けできるような体制を心がけ、逆に慢性疾患で投薬のみの方や急性期の治療が落ち着いた方についてはかかりつけの開業医の先生方に積極的に逆紹介しております。そして、当院で施行した検査結果(採血、レントゲン、CTなど)については「あきたハートフルネット」というオンラインシステムを用いて紹介先の診療所で直接参照できるようになっており、今後さらにシステムの充実を図りながら地元の開業医の先生方との連携を強化していく予定です。
二つ目は「病病連携」についてです。一般の方には聞きなれない言葉だと思いますが、これは病院と病院の連携のことです。現在国はそれぞれの地域における高齢化や人口の推移を予測した上で医療圏ごとに「地域医療構想調整会議」を開催し、2025年までに各病院の病床数(急性期・回復期・慢性期)を調整することを目指しております。秋田県では日本一急速に進む人口減少の問題があり、さらに当地域では今年(2020年)から高齢者の実数も減少に転ずることを考えると、単なる病床数の問題としてではなく、病院同士で真剣にそれぞれの役割を議論する必要があると考えます。そのためにはまずは病院同士が直接協力する体制を構築し、その中で地域医療を支える必要があります。当院では2020年2月27日に市立角館総合病院と「医療機能連携協定」を締結しました。これは当院単独で面積の広い当地域の医療機能を維持していくのは困難であり、市立角館総合病院との連携が不可欠であると考えたからです。この4月より当院から小児科と脳神経外科の医師の派遣を開始しました。今後はさらに医師派遣による連携を広げるとともに、患者さんの相互受け入れも積極的に行っていく方向で進める予定です。
三つ目は「病院機能の充実」についてです。当院に求められる役割として命に関わる疾患への対応があります。まず救急疾患についてですが、この3年間で循環器科、脳神経外科の医師が増員され、心筋梗塞、脳梗塞などの緊急処置によって救命が可能な疾患への診療体制が充実してきました。また、病院でなければできない外科的手術に関しても年々手術件数が増加してきており、特に整形外科についてはあらゆる疾患の手術に対応できる体制となり手術件数が急増しております。さらに、がん診療に対しては内視鏡手術、外科手術、化学療法はもちろん、緩和ケア科での末期医療まで当院で行うことが可能となっております。
以上のように、当院としては今後も他の医療機関との連携を強化しながら、地域医療を守っていきたいと考えておりましたが、本年になり「新型コロナウイルス感染症」の流行という今まで経験したことのない大きな問題が出現してきました。当然当院においてもこの病気に対して万全な体制で臨んでおりますが、今後はこれまでとは違った対応が必要になってきました。まず、外来が密にならないよう通院中の患者さんについては予約時間を守って頂き、今まで以上にかかりつけ医への逆紹介を促進したいと考えています。また、院内感染を起こしてしまうと病院機能が完全に停止してしまいますので、そうならないように病棟での面会制限等につきましてもご理解・ご協力頂ければ幸いです。住民の皆さまには多くのご不便・ご迷惑をお掛けすることになりますが、未曾有の緊急事態ですので是非ご協力のほどお願い申し上げます。
医療環境は「新型コロナ」の影響もあり、より一層厳しさを増していくことが予想されますが、当院の基本理念に基づきこれからも地域のために職員一同全力で努力する所存ですので、今後もご支援のほどよろしくお願い申し上げます。
(2020 年 6月)